私の仕事
看護師がどんな仕事かという問いには看護師の数だけ答えがあります。
私が初めて「なんのための仕事か」実感したのは担当患者が亡くなった時でした。
亡くなる前の患者さんの変化に、自分がいち早く気づけて家族が最期に立ち会えるという経験をしたとき、
全ての苦労・・
(昼夜2時間毎に全ての患者さんの体位を変えたり、
汚物にまみれた体を綺麗にしたり、
頻回なナースコール(私の記録は一晩に600回)に対応したり、
夜な夜な死にたいと泣く患者さんを、仮眠の時間を削って なだめたり、
立ち上がれない人を看護師3人がかりで何度もトイレに連れて行ったり、
患者さんが転んだり点滴を抜いたりしたことの事故報告書を書き、カンファレンスをしたり、)
が報われました。
ご家族から「あなたのおかげで家族が間に合い、一人で逝かせずに済んだ」.「あなたが担当の看護師さんで良かった」なんて言われたら、辞めたくて仕方がなかったこの仕事も自分にしかできない特別なもののように思えました。
そして
患者さんが亡くなる時、悲しいという気持ちと一緒に、情けない私には、上に書いたような苦労から解放されるという、とんでもなく不謹慎な安堵の気持ちが顔を出します。
ただこれは、患者さんの家族が背負う気持ちを、少し引き受けただけに過ぎません。
感傷に浸りつつ
患者さんが亡くなりベッドが空けば、そこに新しい患者さんが入ってくる。
こんな日ぐらい入院入れなくても良いだろうに。
燃え尽き症候群になっちまうよ。
どんだけ患者がいるんだよ!どんだけ頑張ればいいんだよ!っていう
これが私の仕事です。
「それが私の仕事だ」と人に示せる仕事ができること、それはとても貴重なことで、とても誇らしいと思っています。